先日、ある方とお話ししていた時のこと。
その方は1歳と4歳の男の子のお父さんで、とてもやさしく思慮深く真面目な人で「子供を育てるというのは本当に難しいですね。」とポロリとおっしゃった。
私は「そんな風に真剣に悩んでいらっしゃること自体がとても良いお父さんだと思います。」というようなことを言ったと思う。
彼の悩みは4歳のお兄ちゃんは『いつも失敗を恐れて前に進めない』ということだった。そして、それは自分にとても良く似ていると…
「その子が困っている時にあなたは何と言っていますか?」と聞いた。
「とにかく、やってみろ。できないなら反対から見て考えてみるようにと言いました。」が答えだった。
「あなたも同じように『いつも失敗を恐れて前に進めない』時にとにかくやってみろと言われたらどうでしょうか?できますか?毎回毎回、前に進めなくて困っている時に『とにかくやってみろ』と言われたらどうでしょうか?」と聞いてみた。
「できません。嫌になるかもしれません。」
親は自分のできないことを子供にできるようになって欲しいと願い、子供には同じ悩みを持って欲しくないと願うばかりに何とか克服させようとします。でも、親自身のトラウマが解決されていないので、その子供は同じトラウマに陥りやすくなります。
できない子供を見ると親は『できない自分を見せつけられる』ので子供に更に厳しくなります。無意識的に自分を罰するまたは制するかのように同じ言葉を繰り返し言う様になります。このお父さんの場合は「とにかくやってみろ」です。
多分、このお父さんも親から同じように言われていたと思います。
このお父さんは本当に一生懸命にお子さんと向き合い大切に育て悩み配慮されています。でも、自分自身のインナーチャイルドが傷ついたままなので、頭では子供のためと思って言っていることが実は『無意識的に』子供を抑圧し傷つけてしまいます。
何度も申し上げますが、このお父さんは本当に誠実で良い方です。だからこそ、とても悩んでいらっしゃいます。けれども、どんなに頭で考えて配慮してもインナーチャイルドが癒されていなければ、自分ができなかったことを子供に乗り越えさせる為に子供の意思や気持ちを無視して「やらせ」ようとしてしまいます。
この無意識的に言ってしまう言葉がお父さんのトラウマであり、子供のトラウマの原因となります。
そうやって、親から子へ 子からまたその子へと傷ついたインナーチャイルドは引き継がれてしまいます。
傷ついたインナーチャイルドとはこの様にして無意識に現れて人生や親子関係等の人間関係に大きな悪影響を与えます。
私はいつもインナーチャイルドセラピーを行う時にお伝えするのですが『誰が悪いか?!』を見つけたり親を断罪するのではなく、『あなたに何が起こったのか?』を見極め充分に癒しトラウマを解放するだけです。
引き継がれるトラウマや悪癖を誰かのせいにするのではなく、ただただ自分を癒してあなた自身が幸せに軽やかに生きる道を選択しましょう。
*この記事はご本人の許可を得て掲載してます。
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